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☆2月15日(日)スタジオリハ終わり・・☆
「Go!Go!ゴーヤーチャンプルー」一曲をひたすら二時間煮詰め、九割方完成型と言えるまでに仕上がりました。取りあえずは一安心と言える訳ですが、これはあくまでもヒロシが暫くは横浜の方に帰らなければならないというやむを得ない事情があるからに他なりません。
楽器隊メンバーみんなは恐らく、『この曲はもう非の打ちどころがない!』なんて微塵も思っていなかった事でありましょう。曲に関しては及第点をあげられるかも知れませんが、やはり歌詞という意味で懐の深さが全くありませ
ん。
ところが入木さんはもうすっかりプレッシャーから解放されたかの様に、『やっ
ぱオレって天才だよな。』という振る舞いが目立つ気がします。この日(次の日?)
のOLEっちのホームページの日記を読んでみると、入木さんの言葉の端々にそういっ
た雰囲気も感じ取れるのではないでしょうか?その入木さんの日記を読んだヒロシは・
・
ヒロシ:『何なんですか?あの人は。「沖縄テイストを入れ込んだアレンジ」って・・
何か全て自分の手柄とでも言いたげに見えますね・・。』
そう言えばあのOLEっちのホームページに掲載されている沖縄日記を読んでいると、
後半になって行く程メンバー間の温度差(入木さんと他メンバーの)が読み取れるのではないでしょうか?
メンバーがみんな『そんんな曲じゃ話にならん!一からみんなで作り直そうぜ!』と言っているのに、『早くも曲上がってます。』なんて入木さんの日記には書いてあったり・・。まぁその辺りには色々事件もあった訳ですが・・。
この日から一週間の間に起こった事件は、本当に激動と言うに相応しい物でありました。後々ここで書いて行く事になりますので、皆さんお楽しみに(?)!!
スタジオリハも終わり、マスターの所に会計に行くと・・。
マスター:『ハイ、お疲れさん。じゃぁ2時間で4000円ね。ん?みんなゆっくりして行くでしょ?』
と喫茶室のテーブルの方を見ると・・たくさんの料理や酒の肴、つまみなどがぎっし
り・・。
マスター:『みんな飲んでくでしょ?ほら、この泡盛美味しいんだよ!!』
メンバー4人:『そうですね、じゃぁちょっとだけ・・。』
なんて、チョットだけで終わる訳はありませんでした(笑)。ヒロシはあまり酒も飲まないし、僕は全く飲めなかったりするのですが、てっちゃんと入木さんは・・・
てっちゃん:『なんですかこれ?マジっで旨いっすわ!!』
入木さん:『凄い飲み易いですね!!これは旨いわ!!』
マスター:『そうそう、美味しいでしょう!これはたくさん飲んで酔っぱらっても、
明日の朝までは残らないからね。度数は高いけど安心して飲めるよ。』
やはりうちなんちゅのペースで酒を飲むなんて、ちょっと無理があります。入木さんは案の定・・。
てっちゃんもドンドン酒が進んで行きます。それでもみんなで笑いながら、楽しげに
宴は続きます。 そしてようやく飲みのペースも一段落した頃、マスターは僕らに興味深い写
真を見せ てくれました。
マスター:『これはねぇ、「やんばる」の方にある僕らの別
荘なんだけどね、あっ、 「やんばる」って分かる?』
僕:『「ヤンバルクイナ」の「やんばる」ですよね?』
マスター:『そうそう、沖縄の島の北部の山の方を文字通
り「山原」と書いて「やん ばる」と読むんだよ。』
てっちゃん:『え?マスターそこに別
荘持ってるんですか?』
マスター:『元々はおじいちゃんとかが住んでた家なんだけどね、当時の木材を極力そのまま残して改築したんだよ。兄貴は小さい頃ちょっとここで暮らした事はあるらしいけど、僕はないんだよね。』
僕:『当時の木材を出来るだけ再利用して改築したんですか?』
ヒロシ:『流石!建造物マニアが食い付いた!!(笑)』
マスター:『そうそう。でね、この別
荘の目の前が浜辺なんだよ。この前行った時も 兄貴がそこで魚を釣って来て、料理して食べたんだよね。』
てっちゃん:『うわぁ〜〜〜〜〜、・・いいなぁ。都会暮しじゃ考えられん贅沢!!』
マスター:『去年はね、「Go!The Skip」の連中がミッション合格した時に連れて行ってあげたよ。』
てっちゃん:『いいなぁ〜〜〜〜!僕らも連れて行って下さいよ!!』
マスター:『そうか!!じゃぁみんなで「やんばる」行くか?みんなが最後まで勝ち抜いて、デビューが決まったら行こうな!!!!約束だぞ!!』
入木さん:(何故か突然ムクッと・・)『今までOLEっちのチャレンジャーで、
「Go!The・・」しか行ってないんですか?じゃぁオレ達が行けば2番目ですね?
』
マスター:『あ・・あぁ、そうだね・・。』
入木さん:『じゃぁみんな!絶対に合格しようぜ!!』
メンバー3人:『あ、あぁ・・・・。(何や突然?)』
酔いつぶれて寝ていた入木さんではありましたが、ひょっとして「デビュー」という言葉に反応したのか?突然起きるなり暑苦しいくらいの目力を発しながら興奮気味に
叫びました。ホント何なんだ?この人は・・。
そしてそろそろ夜も更け、(とは言っても終電を気にするという概念は沖縄にはないのですが・・。)僕らはOLEっち寮に帰る時間であります。メンバーみんなが財布を取り出そうとすると・・・。
マスター:『いやいやそんな・・お金なんていいですよ。僕の方から誘ったんですから。』
てっちゃん:『何を言うてるんですか?スタジオ代の方が飲み代より遥かに安いじゃないですか!そんなんマスターちっともお金が儲からんですよ。』
マスター:『お金の問題じゃないですよ。僕も楽しかったし、本当にありがとね。』
メンバーみんな:『それでは・・お言葉に甘えまして・・。』
マスター:『そんな事よりも、最後まで勝ち抜いて絶対に「やんばる」行こうな!!』
本当にマスターには色んな意味でお世話になりっぱなしです。実際に結構な量
のお酒 も飲んだし、料理もマスターが色々たくさん作ってくれました。あっ、そう言えばゴーヤーチャンプルーについて聞くのを忘れてた・・。今まで一年間、こうしてOLEっ
ちチャレンジャーのみんなにはスタジオリハの後、お酒を御馳走していたのでしょう
か?本当にいい人だぁ・・。
☆そして帰宅・・☆
時間は午前1時前、僕らメンバー4人はタクシーに乗って帰って来ました。とは言っ
てもタクシー代は800円弱、深夜料金もない様で一人当り200円くらいであります。
恐らく東京ではどう考えても、距離的にも2000円を切る事はあり得ないでしょう。そう考えると物凄く安い!(と思うのは僕らの感覚なのですが・・。)
坂下さん は部屋で作業をしています。
坂下さん:『おぉ、お帰り!マスターに御馳走になった?』
てっちゃん:『いやぁ〜飲んだよ!ホンマにマスターってイイ人やね!!あんなんでやって行けるのかな?』
坂下さん:『それが沖縄よ。親しくなったら本当に親身になってくれるからね。それでもマスターみたいにいい人は沖縄でも珍しいけどね。』
ヒロシ:『僕も普段飲まないんですけど飲んじゃいましたよ。結構お腹もいっぱいに
なったし。』
坂下さん:『ヒロシ、明日は何時に出るの?』
ヒロシ:『明日はもう朝から出ます。』
入木さん:『じゃぁもう明日はオレらも仕事だし、早いトコ寝る用意をしようぜ!』
と、この言葉に入木さんを除く僕ら4人は顔を見合わせました。えっと・・オレが言うのか?
僕:『あぁ、入木さん。明日は僕とてっちゃんの二人でやりますから、入木さんは寮でしっかり曲を覚えていて下さい。』
入木さん:『大丈夫だよ。曲はもう早くも完成したし、覚えるのはすぐだよ。』
僕:『練習だってなんだって、完璧なんて事はないでしょ?悔いの残らない様にしないと・・。』
入木さん:『そんなん・・オレだって金稼ぎたいし、曲を覚えるのはバイトしながらでも出来るよ。』
僕:『いや、とにかく仕事は出なくていいです。それに今日みたいに仕事中にあんな
動き回られたらヤバいですからね。』
入木さん:『汚ねーよ!オレあんまりまだ仕事出てないんだからさ、それにあれくらい別
にヤバくないって。フクちゃんはとにかく神経質過ぎるんだよ!!!』
煙草を吹かしながら事の成り行きを見守っていた坂下さんではありましたが、一つ大きなため息をついた後に僕らの話に割り込んで来ました。
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坂下さん:『ミックさ〜ん!フクちゃんの言ってる事も分かってやれよ。』
入木さん:『何がですか!』
坂下さん:『フクちゃんは入木さんを傷つけない様にしようと思って遠回しに言ってんのに、やっぱりダイレクトに言わなきゃ分からないみたいだね。要は今日「あしびなー」からクレームが来たんだよ!!』
入木さん:『何でですか?そんな訳ないじゃないですか!!』
坂下さん:『お客さんと店鋪側から苦情が来たんだよ!駐車場に変な人がいる、気味が悪いってね!!』
入木さん:『そんな・・・・分かりました。明日からちゃんと真面
目にやりますから・ ・。』
坂下さん:『ダメだね・・・。オレは前から言ってたでしょ?仕事中は一切音楽の事は考えるなって。』
入木さん:『オレがこんなに頼んでるのにダメですか?何で・・何で、オレだって汚名挽回するチャンスを貰ってもいいじゃないですか!!』
坂下さん:『これは「あしびなー」の命令だ。悪く思わんでくれ。』
さすがの入木さんもこの時ばかりはショックを隠し切れない様でしたが、僕らの『何だか少し言い過ぎたかな?』という同情をも覆す様な言葉が次に瞬間に飛び出しました。
入木さん:『分かったよ・・・。冗談じゃねぇ!そうだよ、オレは音楽の事を真剣に考えながらやってたさ!何が悪い?これは戦いなんだぜ?お前らみたくボケーッとしてた訳じゃねーんだよ!!お前らの考え方がそもそもアマちゃんなんだよ!!ヒロシだってこの時期に帰るなんて、切迫感がないにも程があるんじゃねーの?』
をいをい逆ギレかよ・・。この時ばかりは怒りが込み上げると言うよりは、殆ど茫然
自失と言うか呆れて物も言えないと言うか・・・。
ただ、入木さんは『何でオレ一人 でこんなに頑張っているのに、こんなにボロクソに言われなきゃならないんだ!!』
という気持ちを持っていた様です。
ひょっとしたらこの先ドンドン、入木さんはみんなに心を閉ざしてしまうかも知れないという不安もありました。そして坂下さんの一
言・・
坂下さん:『ミックさんさぁ、今凄い事言ったけど、もう少し考えた方がいいんじゃないの?オレよりもずっと年上の人間に対してこういう事を言うのも申し訳ないけど、
言葉を発する時に一度飲み込んで冷静に噛み砕いてから喋った方がいいよ。勢いで物を言い過ぎ!!相手がどう感じるかとかの配慮が足りないし、恐らくミックさんの言いたい事だって正確には伝わらないよ。』
シンガーソングライターにとって、こういう事を言われるのは屈辱的かも知れません。
しかし、僕が言いたかった事も大体このような事でありました。入木さんは怒りが最高潮に達した様ですが、坂下さんとしても慎重に選んで発した言葉であったはずです。
もちろん入木さんとて100%本音の発言ではなかったと思いますが(思いたい)、
彼は興奮すると前後の見境い無しについ暴言を吐いてしまう所がある様です。
本音を語ろうとしつつも、相手を挑発するために多少尾ひれが付いてしまうと言うか・・。
そういう所を坂下さんは言いたかったのだと思います。入木さんにはどの程度、坂下
さんの言葉の真意が伝わったのでしょうか? この後微妙な空気を引きずったままメンバーそれぞれが床に就く訳ですが、入木さんは相当悔しかったのか、いつも以上にイライラしている様子で頭を掻きむしり、『チキショー!』と小声で何度も呟きながら最終的には部屋を出て行きました。(これは
まぁいつもの事なのですが・・。)
☆2月16日(月)次の朝・・☆ ヒロシは僕とほぼ同時に起床、帰り支度をしています。殆ど荷物は持って帰る必要もなさそうなのですが、彼は自分のベースまで持って帰る様です。別
に楽器はこの一本という訳ではないはずでありますが、これが現在の彼のメインベースだというこだわりなのでしょう。
僕が持って来たのは別にメインギターという訳ではありませんでしたが・・。僕はかなりの数のギターを持っている割には、音の良さとかに関してはあまりこだわりがありません。やっぱり見た目が一番大事ですね。
今回持って来たギター (エピフォン・シェラトン)に関しては、たまたまリペア(修理、改造)に出していたのが上がって来たのが沖縄に発つ直前であったという理由のみであります。
そして ヒロシは一言・・・。
ヒロシ:『福田さん、オレが帰ってるからって、リズム練習はサボっちゃダメですよ!
毎日最低2時間はやらないとね。』
ドキッ!もちろんサボるつもりはありませんでしたが、沖縄滞在時には毎日やっていました。ところが東京に帰ってからは毎日が二日に一回になり、一週間に一回になり、
今では・・・今年に入ってからやったっけ?という具合になってしまいました。マズ
イッすね・・。
午前9時前、ヒロシは出て行きました。てっちゃんもそろそろお目覚めであります。
眠気眼のまま意識もうろうとしたてっちゃんは・・・
てっちゃん:『坂下さん、これかけて・・・。』
と、自分編集のCDを坂下さんに手渡します。てっちゃんの持って来たCDは流石に幅広く、ハードロックからレゲェ、ジャズ、ボサノバ、マニアックな70年代の邦楽、
そして凄い数のレッド・ツェッペリンのブートなどなど・・。そしてここで今かけたのは、80年代のハードロックばかりを集めた音源であります。
てっちゃん:『やっぱ朝はハードロックでしょ・・。』
僕:『いやいや、全然爽やかなお目覚めでけへんから・・。』
坂下さん:『てっちゃんマニアックだね。うわ・・選曲が渋い!』
僕は結構ハードロックには詳しいと思っていたのですが、本当に知らない曲が多い!
しかし坂下さんは選曲がツボにハマったのか・・。
坂下さん:『そうそうこのバンド、ジョン・サイクスがプロデュースしたんだよね。
本当にいいバンドだったのに、売れなかったよね。しかもこの曲を選択するセンスが
また渋い!!!』
てっちゃん:『そうそう、このギターソロの入り方なんてまんま(サイクス)やもんね。』
何だか僕の全く分からない話で盛り上がっています。坂下さんは自分の好みの女の子に関して語らせればアツクなって何処までも止まらないのですが、それ以外にもアツイこだわりを持っていたんですね。アツクなった坂下さんは止まりません。
坂下さん:『あっ、てっちゃん!曲の繋げ方、ミックスがまだまだ甘いな・・・・。』
てっちゃん:『な、何がやねん?』
坂下さん:『この曲、フェードインのタイミングはここじゃないだろよ。それからフェーダーの下げるスピードはもう少し曲のテンポとかを考えなきゃ!次に持って来る
曲にもよるしね。』
てっちゃん:『やかましいわ!このハゲ!!』
坂下さん:『何がハゲだ!オレはプロとしての意見(元々坂下さんはFM局でそういうオンエアーする曲を編集する仕事をしていた。)を言ってるだけだろがよ!!』
と、一見喧嘩している様にも思えるかも知れませんが、決してそうではありません。
てっちゃんは親しみを込めて「ハゲ」などと言ってる訳で、それでも決して険悪なムードにならないのはてっちゃんのキャラのお陰なんですね。
坂下さんも素人(?)相手 に少々アツクなり過ぎているきらいはありますが、この後も暫くは二人でアツク言い合いをしていました(汗)・・。
まぁ、僕にはどうでもいい事なんですが・・。
そしてそうこうしている内にもそろそろ出勤時間が近付いて来ました。もちろん入木さんは寮に残して、僕とてっちゃんの二人での勤務であります。入木さんはピクリとも動かず、布団に包まりながら爆睡しています。
てっちゃん:『ほなミック、オレら仕事行って来るから。』
入木さん:『ん・・・・・・。』

意識があるのかないのか?それが返事なのかどうかも分からなかったのですが、入木さんはケータイが急に鳴り出すとサッと上半身を起こし、物凄い至近距離でケータイと睨めっこしながらメールの返信をしています。
それが終わると何事もなかったかの様に、バタンキュー・・・その十数秒後にはいびきをかいていました。
果たして入木さんはこのメールの返信した事さえ覚えているのでしょうか?まぁこれもいつもの事だったのですが、
てっちゃんには不気味に映った様で・・。
てっちゃん:『うわっ、何やコイツ・・・。』
僕:『入木さん、メール大好きだからね。来たメールには全て返信してるんじゃないかな?』
そして僕ら二人は仕事に向かうためOLEっち寮を後にする訳ですが、その時てっちゃ
んは物凄く深刻な顔(?)と言うか、凄く真面目な顔をして僕に尋ねて来ました。
てっちゃん:『なぁフクちゃんさぁ、ちょっと聞きたい事があんねんけど・・・。』
僕:『何?』
てっちゃん:『ひょっとしてあれ、ミックって知恵遅れなん?』
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僕:『はぁ?・・・・・。』
一瞬僕は固まってしまいました。もちろん入木さんは知恵遅れではありません。かと言っててっちゃんは冗談で言っている様にも見えません。本当に想像だにしなかった
言葉であったので、返答に困ってしまいました。
確かに僕はもう6年間も入木さんと 行動を共にして来た訳で、常識的に考えれば「常軌を逸して」と言われてしまう様な
様々な行動に関しても、僕の中の感覚では麻痺してしまったのかも知れません。改めてその時色んな事が頭を過り、てっちゃんに対して出て来た言葉は・・・。
てっちゃん:『いやいやいや、だから一緒にバンドなんか出来へんとか言うんじゃなくて・・ええもんが出来るんやったら別
にそんなもんどうでもええねん。ただ、もし 手帳(障害者手帳)とか持ってるんやったら、あんまり色んな事でヤツを責めても可哀想やしな。正論がちゃんと通
じるヤツなのかどうかも考えて、対応の仕方も色々あるしな・・。』
僕:『もちろん知恵遅れなんかではないけど・・・。てっちゃんがそう感じたんやっ
たらねぇ。まぁ、あれよ・・。ジ○ーちゃんレベルで考えておいてくれればええんちゃ
うかな?』
てっちゃん:『vwoo・・・(了解!=ジ○ーちゃん語?)』
誰も他にいなくても丁寧にボケてくれるてっちゃんです(笑)。でもやはりこのてっちゃんの言葉、僕にとってはかなりショックでしたね。やっぱり普通
の人から見ればそう感じてしまう様な、常軌を逸した行動が多いのかも知れません。だからこそ見ている人がそこに非日常を感じ取り、そこに彼のエンターテインメントが成り立つ訳なのですが・・・。
ただそういった言い訳も、世間一般の社会の中では受け入れられる
訳はないのです。まぁ取りあえず今日は入木さん抜きでのバイトだし、暫し色んなしがらみも忘れてのんびりとバイトに精を出して(?)みたいと思います。
☆2月16日(月)夕方・・☆
今日はそういった様々なしがらみも忘れ、暫し幸せな気分で沖縄の青空の下、日中の時間を過ごす事が出来ました。やはり沖縄の青い空には、そういった凄いパワーがあるのでしょう。
すっかり気分転換をして帰って来たOLEっち寮でありましたが、そ
こで衝撃的なニュースを耳にする事になります。
入木さん:『おいフクちゃん!大変だよ。稲葉くんが倒れたって・・。』
僕:『マジっすか?何で??』
入木さん:『脳腫瘍だよ・・。12日の日に風呂場で倒れたんだって。本人からメールが来たよ。23日に手術らしいよ。』
てっちゃん:『脳腫瘍!!!?マジで?エライこっちゃがな・・。』
僕:『そんなん、どうせ入木さんの勘違いじゃないの?脳腫瘍で倒れたヤツがメールなんか打てるの?病室はケータイ禁止なはずだしさ。』
と、この時点では凄く気になりつつも、僕は『また入木さんの勘違いであって欲しい!
』という風に、極力考えない様にしていました。
しかし23日に手術なんて、具体的 な事も言ってる訳だし・・・・。
入木さん:『これは稲葉くんを励ますためにも、何としてもミッションクリアしようぜ!!』
僕:『あぁ・・でも彼の事は関係ないでしょ?』
入木さんとしても恐らくモチベーションを上げて行こうぜ!と言いたかったのでしょうが、僕はそれを素直に聞き入れる事は出来ませんでした。
まず第一に稲葉くんが脳 腫瘍で倒れたという事を受け入れたくはなかったし、『稲葉くんのためにも・・』という入木さんの言葉に対して、凄く軽薄に聞こえてしまったからに他なりません。
何 故だか入木さんのその言葉が、僕には非常に不愉快に感じたのです。上手くは説明出来ませんが・・・。
結局それから10日ほど経ったある日、稲葉くん本人からメールが来ました。やはり入木さんの言っていた事は事実であった様で、メールの本文からは気丈さを振る舞いながらも、そこかしこに不安の滲み出る様な内容でありました。結局どう言っていい
物かも分からず、明後日の方向でメールを返したのでありました。
☆ロックンロールファイター・稲葉ナオキ☆
ここからは沖縄日記ではありませんが、その稲葉ナオキのその後について書いて行きたいと思います。
僕らが沖縄から帰って、暫くは稲葉くんとは何度かメールのやり取りをしました。『必ずまたステージに帰って来るぜ!』という堅い意志をメールで送って来ましたが、実際には本人としては壮絶な闘いがあるのは容易に想像出来ました。
こういう言い方は不謹慎かも知れませんが、「脳腫瘍」という病名を宣告されてしまった人は恐らく、少なからず「死」という事を意識してしまうでしょう。頭の中から閉め出しても、何度も何度も現れ、精神不安定になったりする事もあるでしょう。
僕も昔は病院で働いていたので、「死」を意識した人達の壮絶な現場を何度も見て来ました。実際病魔に打ち勝つには前向きな姿勢が何より大切なのですが、その気持ちを持ち続ける事が如何に大変かという事も知っています。
そんな中でも稲葉くんは気丈に前向きなメールをくれるのです。そんな4月のある日、入木さんは・・・
入木さん:『フクちゃん、稲葉くんの見舞いに行ってやろうぜ。』
僕:『いや、僕は行きません。』
入木さん:『何だよ、薄情なヤツだよな。見舞いに行って元気づけてやればいいのに・
・。』
確かに薄情に思われるかも知れません。しかし僕は思ったのです。そんな気丈なメールを送って来る稲葉くんの事、もちろん自分の強い意識を確認するためもあるのでしょうが、そんな稲葉くんは果
たして見舞いに来る事を望んでいるのでしょうか?本人に確認した訳ではないので何とも言えないのですが、ステージで歌っていた頃とのギャップを、本当はあまり見せたくはなかったのではないでしょうか?もちろん見舞いに行けば喜んでもらえるとは思うのですが、僕が彼の立場ならあまりそれを望まないかも知れません。
僕も彼のステージでの復帰を心待ちにしていたし、信じていました。そして約束通
り、 彼はステージに帰って来たのです。 2004年の年末、僕は稲葉ナオキ率いる「ロックンロールファイターズ」の復帰ライブを見て来ました。

2003年の大晦日以来なので、一年振りの対面となります。
これまでにもボンソウと何度も対バンし、何度も彼等のステージには足を運んで来ました。
しかしバンド自体多少のブランクは感じさせるものの、稲葉くんは以前と何ら変わらぬ
パフォーマンスを見せてくれました。色々な苦難を乗り越えた来た事情を知っているからというのもありますが、本当に胸が熱くなりました。本当に前向きな姿勢の大切さ、そして歌う事が大好きだというピュアな感情の大切さ、そんな当たり前の
事を改めて感じさせてくれた素晴らしいライブでありました。
ただ、バンドはこの日でもう活動停止だという事で、凄く寂しい気持ちにはなりましたが・・・。
稲葉くんは今後、アコースティックギター一本でソロ活動を行うという事であります。
バンドにはバンドの良さがあり、稲葉くん一人のライブというのはまた別
物なんだけ どなぁ・・。と僕は少々否定的な感じを持っていたのですが、
昨日(2005年2月 8日)、彼のソロライブを見て来ました。
しかし本当に不覚にも(失礼!)、マジで感動してしまったのです。
稲葉くん:『みんなが死にそうになった時、この曲を思い出してくれ。』
タイトルは「明日はどっちだ?」という曲。本当に生々しい、「死」を意識した体験
からその復活劇までをリアルに描いたノンフィクションな曲であります。もちろん説得力が違います。
そして彼等「ロックンロールファイターズ」においてクラシックであった名曲、「ガッツ!ファイティングマン」。ボンソウで言う「今を生きよう」に近い、ある意味陳腐
で使い古されて来た言葉でもあるのですが、稲葉くんの絶叫で『一生懸命生きるんだぁ
〜〜〜〜〜〜〜〜!!!』と来た時に、思わずグッと来てしまいました。
やっぱり言葉って生きている、音楽って凄い力を持っている・・。改めて昨日、僕はそういった
事を再確認したのです。今や僕は目的を失いかけ、毎日ぼ〜っと過ごしてる様に感じていました。そんな僕に稲葉くんは、素晴らしい物を見せてくれたのです。本当にありがとう。
平成17年2月9日 福田悦隆
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